私は現在43歳になります。薄毛を気にしだしたのは、35歳頃のことでしょうか。初めは母親の何気ない一言からでした。「上からみると頭が少し薄くなっているわよ」。
その時はそれほど気にもとめませんでした。ですが、それから自分の部屋、洗面所、トイレなどに落ちている細い髪の毛がいやに目につくようになりました。8年という歳月がたち現在は明らかに額は広くなり、頭頂部は地肌が見えるようになりました。
悲しいという気持ちと仕方ないなという諦めにも似た感情をよく覚えています。髪が薄くなってしまった原因を考えると、記憶は大学を卒業し初めて社会に出た20年ほど以前のことを思い出します。
大学を出た私は就職活動もせず、就職浪人のような生活をしていました。ですが親にたしなめられ、ある派遣会社で働き始めました。その派遣先で嫌がらせや恫喝されたりして心を病んでしまいました。
私は誰にも何も告げず、部屋から出なくなりました。その後、数年は感情をなくしたようにただ寝ては起きる生活を続けていました。それがいつの間にか親へ怒りを向けるようになっていきました。激しい口調で親をののしり、自分の不遇はすべて親の責任であると思っていたのです。
その感情の波も徐々におさまっていきました。その頃だったと思います、親に髪が薄くなったと言われたのは。推測するに、髪が薄くなった原因としては日の光も浴びず長い間部屋にこもっていたこと。誰とも話をせず、ただ心のなかで感情を抑えようと必死になっていたこと。
食べ物は健康のことなど考慮することなくインスタント食品ばかりを食べていたこと。肥満体形になるほど一切運動をしなかったこと。思いつく理由としては以上のことが挙げられます。CMで流れていた育毛剤も試してみました。価格はおよそ一万円弱もする高価なものです。
収入などありませんでしたから、心配した親に買ってもらったものです。一日に一回、親に育毛剤をつけてもらいました。お風呂上りにです。期間としては40歳~43歳の現在に至るまでです。毎日鏡を見ますが、特に髪が生えてきたとか抜け毛が減ったなどの変化は感じられません。
家から出ることは全くといっていいほど無いので、人の目が気になり恥ずかしいった感情はほとんどありません。髪が生えてきて欲しいというような前向きな感情が足りないのでしょうか。私が薄毛など髪に関する同じ悩みを持つ方になにかアドバイスできるとしましたら、他者とかかわりを持つことで自分を客観視することを大切にしてほしいということです。
私のお恥ずかしいお話を聞いていただきましたが、何事も早期に発見し解決することができれば悩みも小さいうちに解消できると思います。どうぞ日々前向きにお過ごしください。